センター長あいさつ
生命・医療・研究倫理の未来を見据えて
2020年に全世界が経験した新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、我々の科学や医学にはまだまだ研究しなければならない領域が多いことも示されました。臨床研究をすすめる上で遵守することが求められる各種指針や法律の整備もすすみ、我が国での臨床研究の実施環境は徐々に整いつつありますが、それを実践するためには支援する組織や人員整備が不可欠です。
東京科学大学生命倫理センターは平成17年の文部科学省予算での開設後、平成22年には大学内常設化を果たし、研究倫理審査の支援業務を中心に業務を展開しています。この間に、各種指針の統廃合や中央倫理審査体制整備など我が国および世界の臨床研究規制環境が大きく変化してきました。そのなかで、当センターは全国の大学医学部倫理委員会の中心的存在として、また指針改定における種々の情報収集や調査研究などを通じて、一環してよりよい研究環境整備に尽力してまいりました。
当センターが関わる研究倫理審査支援に加え、遺伝子診療科での診療業務も、ここ数年の各種遺伝子検査の普及や保険収載化の流れのなかで重要度を増しています。このように多様性を増した生命倫理センターのこれからの活動に、皆様の引き続きのご支援をお願いいたします。
東京科学大学
生命倫理センター
センター長
吉田 雅幸